震災映画プロジェクト

現在の寄附総額
391,000

78%

目標金額 500,000円

ご支援いただいた皆様

  • (個人) 36
  • (法人・団体) 0 社・団体

新たな視点での震災映画を作りたい

文学、映画研究、哲学などに熱意を注いでいる人文系の学生たちが、これまでに学んできた知識を活かして震災をテーマにした短編映画を制作します。制作を通してメディアに氾濫する「絆」や「地元」などの一見麗しい言葉によって隠されてしまったものを考え直し、完成した映画をもとに震災について議論する場を設けます。

 

summary

Students of the humanities who are passionate about literature, film studies, philosophy, etc. will use the knowledge they have acquired to create a short film on the theme of the earthquake disaster. Through the production of these films, we will reconsider what has been hidden by the seemingly beautiful words such as "kizuna" (bonds) and "locality" that are flooded in the media, and use the finished films as a platform for discussion about the disaster.

 

*The summary is translated into English by Tohoku University Fund secretariat.

 

新しい被災地像の提示と評論集からの転換

被災地でのあらゆる活動は、震災、そしてそれに結びついた「絆」という言葉や「地元」という枠組みで解釈されてしまう傾向があり、それはいつの間にか被災地の我々の考え方自体をも規定していきます。しかし、そこには個人の複雑な感情や震災の凄惨な被害、多様な人々からなる複雑な現実を一つの枠組みが覆い隠してしまいかねない危険性が潜んでいるのではないでしょうか。だからこそ、10年が経過しても、誰かが常に被災地の新しい見方を提示し続ける必要があると私たちは考えています。こういった考えから最初は現在のコロナ禍と絡めた評論の同人誌を制作しようと考えていましたが、共同で一つのテーマに取り組みたいという思いや、映画監督志望のメンバーがいたことから映画制作へと舵を切りました。

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これまでの震災報道を映画によって乗り越える

このプロジェクトの目的は東日本大震災やその後の復興を新たな視点から捉えることです。これまでの東北地域の復興は「地元志向」という枠組みで語られ、「絆」という装いを纏った旧来の地域共同体的価値観がメディアを通して日本全国に氾濫しました。また、震災をテーマにした映画もその多くが、メディアが震災のイメージを作り出したのと同じ仕方でもって震災を描いています。そこには、ある特定の傾向をもったイメージが半ば暴力的に作り出されてしまう構造があります。本プロジェクトでは、これまでの震災を主題とした作品の多くで取られたドキュメンタリー的な手法ではなく、フィクションの形式を取ることで東北の復興を独自の視線で捉え直すことを目指します。フィクションの中で暗示的に震災を象徴させることで「震災そのもの」について語ることが容易になり、そこを映画を震災と復興を語り直すための契機にすることが本プロジェクトの最終的な目標です。
 

映画を制作し、討論イベントの開催と映画祭への出品を目指す

クラウドファンディングの期間は脚本の完成に注力し、獲得できた資金に応じて、プロジェクトの計画を修正した後は、春休みが始まるまでの間に役者や撮影場所、撮影機材などの準備を行ないます。春休みの前半を使って映画を撮影し、春休みの終了時までには編集作業を完了させて映画の完成を目指します。獲得することができた資金の大半は役者への謝礼や場所代、そして撮影機材に充てられます。撮影はほとんどを室内と大学で完結させようと考えていますが、一部震災後のカットを入れるためにロケを行なうことも予定しています。映画の完成後には、映画を題材に震災と復興について語り直すための、上映会と討論会が一体になったようなイベントを開催することを企画しているほか、最終的にはぴあフィルムフェスティバルやマルセイユ国際映画祭のような映画祭の短編部門に出品し、ここで映画としての評価を得ることが私たちの最終目標です。

 

震災の新しい言説の創出と文学部の社会参加の方法を示す

私たちは震災を語り直すための場を設定することと、映画としての評価を得ることを目標にしています。完成した映画の上映会と合わせて、映画を素材に文学部先生方や現代思想研究会の人々を巻き込んで震災の捉え直しについて意見を交わす場を作ろうとしており、そこをきっかけに震災についての新しい言説を生み出すことを目指しています。また、完成した作品はいくつかの映画祭(ぴあフィルムフェスティバルやマルセイユ国際映画祭など)に出品し、そこで映画として評価されることも目標です。そして文学部の学生は公共的な問題にあまり積極的に関与しない傾向にありますが、「文学部だからこそできる」手法にこだわって制作することで、文学部学生ならではの社会参加の方法を提示したいと考えています。

 

団体紹介

東北大学現代思想研究会は、小規模の自主ゼミや勉強会が互いに連携しながら活動を展開する、オンライン主体の自主ゼミ連合として今年の3月に設立されました。コロナ禍で学生のゆるやかなつながりが失われる中で、それぞれの勉強会を行き来して交流する豊かなコミュニティが形成されつつあります。中核にあるのは現代思想の勉強会ですが、オタク文化を分析するサブカル研究会、フランス文学の読書会、現代アートの勉強会、アジア文化への理解を深める自主ゼミ、哲学対話のイベントなどバラエティに富んだ企画があります。後期からは映画の上映会など対面型の企画も増えつつあり、この研究会での交流の中で今回のプロジェクトの原案が徐々に形成されてきました。

 



<ご注意事項>
・このプロジェクトは目標金額の達成有無にかかわらず、ご寄附をいただいた時点で申し込みが確定し、その後のキャンセルはできませんのでご注意ください。
・目標金額を超えるご寄附があった場合は、「ともに・プログラム」をはじめとする学生支援のために活用させて頂きます。

 
<税制上の優遇措置等について>
本プロジェクトへのご寄附は、東北大学へのご寄附となり、確定申告をしていただくことにより税制上の優遇措置が受けられます。
※日本の納税者のみ対象となり、海外の方は優遇を受けることはできません。
詳しくはこちらをご覧ください。

寄附をされた方には、後日「寄附金領収証明書」を送付致します。
確定申告の際は、ご本名と現住所(住民票に記載のご住所)、法人様の場合は登記簿上の名称とご住所での領収証明書が必要となりますので、ご注意ください。

なお、本プロジェクトへのご寄附は、「東北大学基金」の顕彰の対象とさせて頂きます。詳しくはこちらをご覧ください。
 

【クラウドファンディング終了】ご支援ありがとうございました!

2022年02月02日(水)

2か月近いクラウドファンディングの結果、33万8000円という当初の予想をはるかに上回る額をご支援いただきました。支援していただいた皆様、本当にありがとうございました。最初に私たちがこのプロジェクトをやろうと決心したのは…

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先生方からプロジェクトへのアドバイスをいただきました

2022年01月28日(金)

先日、この映画プロジェクトについてのアドバイスをいただくために、東北学院大学教養部教授の下館和巳先生と、SCSミュージカル研究所代表理事の廣瀬純先生にオンラインでお会いしてきました。お二方は、東北大学の全学教育科目の「芸…

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映画の方針についてミーティングを行いました

2022年01月19日(水)

年末にこの映画プロジェクトのストーリーを公開しましたが、問題意識が不明瞭で、机上の空論になっているとの批判をメンバーの一人であるフランス文学専修の佐藤君から受け、年明けすぐに全体ミーティングを開きました。ミーティングでは…

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映画のストーリーを公開します!

2021年12月27日(月)

震災映画プロジェクト記事更新が始まる以前から議論を進めていたシナリオが完成したので公開します。映画の制作を決めてから、文学部の先生方をはじめとしたいろいろな人にアドバイスをもらったり、新しくプロジェクトに関わってくれる人…

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メンバーの紹介をします

2021年12月22日(水)

このプロジェクトのメンバーに中心的に関わっているメンバーを紹介します。現在はこのメンバーで鋭意シナリオ制作中です。応援よろしくお願いします。 メンバー紹介① 名前:山下森人 所属:文学部哲学専修 …

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クラウドファンディングが始まりました

2021年12月15日(水)

12月9日からクラウドファンディングを開始しました。開始直後から寄付をいただき、期待に応えられるような作品を作らなければいかないと身が引き締まる思いです。支援をしていただいた皆様、本当にありがとうございます。 また12…

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【クラウドファンディング終了】ご支援ありがとうございました!

2022年02月02日(水)

2か月近いクラウドファンディングの結果、33万8000円という当初の予想をはるかに上回る額をご支援いただきました。支援していただいた皆様、本当にありがとうございました。最初に私たちがこのプロジェクトをやろうと決心したのはともプロの締め切りの2週間ほど前でした。そこから苦心して書き上げた申請資料がなんとか審査を通過し、それだけでも驚いていたので、当時はこれほどの額を支援していただけるとは露ほどにも思っていませんでした。「10万円までいけるだろうか?」などとメンバーで話していた頃を思い出すと、ここまでの支援をいただけたのが夢のようです。

 また、メンバーが忙しかったせいで広報が滞ってしまっていた時期もありましたが、東北大学基金の皆様による広報のおかげで私たちのプロジェクトをここまで多くの人に見てもらうことができ、これだけのご支援をいただくことができました。重ねてお礼を申し上げます。

 ここ1週間ほどテストやレポートに追われていてプロジェクトは停滞気味ですが、春休みが始まったら活動を本格化させます。まず来週の最初の活動ではさっそく今回の支援金でレンタカーを借りて、映画の舞台にしようとしている荒浜地区をじっくり見て回る予定です。映画の脚本はだいぶ出来上がってきていますが、実際にメンバーで現地を見ることで映像のイメージを共有し、脚本の完成に近づけていきたいと思います。荒浜地区を撮影場所に決めているのは、高校の3年間荒浜地区にある野球場に練習のために通っていたメンバーがいて特別に思い入れがあること、そして何より多くの東北大生が通っている川内キャンパスの中にある地下鉄川内駅から電車で一本で行ける場所に今でも痛ましい姿をとどめた被災地があることを知ってほしいからです。東北大は東北以外の主神の学生が多数派ですが、多くの学生はすぐ近くに被災地が広がっているにもかかわらず震災を意識する機会がないまま卒業してしまいます。あるいは震災を意識するにしても、その惨状を目にすることなく東北を出ていってしまいます。僕たちが映画を作るのは、まず何よりも芸術作品を作ることへの強い志向から来ていますが、それだけでなくこの映画を見た東北大生に「すぐそばにある震災」を意識してほしいという思いもあります。

 これからもこのページで随時活動の様子を報告していきます。今回のご支援をもとに、必ずや自信をもって公開できる作品を制作します。どうか完成まで応援をよろしくお願いします。

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先生方からプロジェクトへのアドバイスをいただきました

2022年01月28日(金)

先日、この映画プロジェクトについてのアドバイスをいただくために、東北学院大学教養部教授の下館和巳先生と、SCSミュージカル研究所代表理事の廣瀬純先生にオンラインでお会いしてきました。お二方は、東北大学の全学教育科目の「芸術の世界」という科目でシェイクスピアについての授業を行っており、メンバーの佐藤君がこの授業を受けていたことから先生方とお会いすることができました。

 下館先生は「シェイクスピアカンパニー」、廣瀬先生は「SCSミュージカル研究所」という団体をそれぞれ率いておられ、その豊富な芸術活動の経験を踏まえて私たちのプロジェクトに対してもいくつもの有用なアドバイスをしてくださいました。特に私たちにとって映画の方針を固めるきっかけになったアドバイスは「距離をテーマに作品を作ったほうがいい」というものでした。震災が起こった当時、僕たちはまだ小学校の中学年で、そもそも震災の記憶が曖昧だったり、あるいは震災とは関係ない地域から東北大学に進学してきたメンバーもいます。そんな僕たちが震災を描いていいのだろうか、震災のどの面を切り取っていけばいいのか、あるいは見る人を傷つけるものになってしまわないだろうかなど、私たちはこのプロジェクトが始まった当初から、「震災を描きたい」という思いと同時に葛藤も抱えてきました。そのことを下館先生にお話ししたところ、「その君たちが感じている距離感こそが君たちにしか描けない震災なのだから、それを作品にしなさい」と力強くアドバイスしてくれたのです。そのほかにも廣瀬先生のプロジェクト運営に関する細かで具体的な助言や、あるいは私たちの進路にまでアドバイスをいただき、非常に充実した時間になりました。

 また、下館先生は僕らのような年代の人間が震災を伝える活動をしてくれることは非常に嬉しいので、役者の方の紹介などできる限りの協力をしてくれるとも言ってくれました。役者の人をどうすれば集めることができるかも当初からの懸念材料だったのですが、下館先生と廣瀬先生にお会いしたことで作品完成への道が一気に開けました。

 皆さんからのご支援も着々と集まりつつあり、このプロジェクトを始めた時に思っていたよりもよりもずっといい作品を作れそうです。これまでご支援してくださったみなさん、本当にありがとうございます。そしてこのクラウドファンディングもついに31日で終了です。どうかご支援をよろしくお願いします!

下館和巳先生
下館和巳先生
廣瀬純先生
廣瀬純先生

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映画の方針についてミーティングを行いました

2022年01月19日(水)

年末にこの映画プロジェクトのストーリーを公開しましたが、問題意識が不明瞭で、机上の空論になっているとの批判をメンバーの一人であるフランス文学専修の佐藤君から受け、年明けすぐに全体ミーティングを開きました。ミーティングでは震災に関する問題意識を先鋭化させるべくさらなる情報収集、取材、討議が必要であるという点を確認しました。

 

問題意識を深めるべく、1月では以下の活動を行うことを決定しました。

① まずはシェークスピア研究者であり東北弁でシェークスピア劇を演じる「シェークスピアカンパニー」を主宰している下館先生とお会いし、我々が持っている問題意識についてアドバイスを仰ぎます。

② メンバーで仙台市若林区の沿岸部を回り、その状況を目に焼き付けるとともに、自分たちが映画の中で被災地をどのように描くか、どのような画面を作るのかについて具体的に考えます。

③ 震災についての重要な映画や小説を全員で鑑賞し、それについての感想を共有するとともに、自分たちが目指すべき作品がそれらとはどのように異なっているのかについて議論する場を毎週水曜日に設定します。また、完成された作品だけでなく、1次資料などにも当たり、先人がどのように震災という現実を作品へと昇華させていったのかについても詳しい分析を行います。このミーティングでは、濱口竜介監督の「東北記録映画三部作」(なみのおと、なみのこえ、うたうひと)やミカエル・フェリエ氏の『フクシマ・ノート』などを扱いたいと考えています。

また、次回からのミーティングではできる限り議事録を作成し、私たちの活動をより詳しくお伝えしていきます。

 

メンバーからの批判を受けて、この記事を書いている運営(山下)も深く反省している部分ではありますが、今までのプロジェクトは早くストーリーを形にしてプロジェクトの体裁を整えることに固執していた部分がありました。しかし、メンバーの「最大の問題は何を、どのように描くかといういわばプロジェクトのコンセプトにあたるものが不明瞭で、このままだと失敗する。逆にこれさえ決まってしまえば仕事の八割が済んだようなもの。何を、どう描くかという根本的な事柄を決めるためには何よりも震災に関して幅広く情報を集め、参加者の間で議論を重ねる必要がある」という言葉に深く共感し、方針を転換しました。映画の完成には予定より時間がかかることが予想されますが、より完成度の高い映画をお届けできるよう頑張ります。

前回の記事更新以降新たにご支援をいただきました皆さん、本当にありがとうございました。来週からより密度の濃い情報を発信していきますので引き続きご支援のほどよろしくお願いします。

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映画のストーリーを公開します!

2021年12月27日(月)

震災映画プロジェクト記事更新が始まる以前から議論を進めていたシナリオが完成したので公開します。映画の制作を決めてから、文学部の先生方をはじめとしたいろいろな人にアドバイスをもらったり、新しくプロジェクトに関わってくれる人が増えたりする中で新しいアドバイスをたくさんいただいたり、またその一方で計画の甘さを指摘されることもありました。私たちは今月いっぱいかけて映画のシナリオを書き直すために何度も議論を重ねてきて、時間はかかってしまいましたがようやくストーリーが固まったので公開します。

 

タイトルは「極夜」です。極夜とは高緯度地域に見られる太陽の上らない一日のことを指します。

 

舞台は近未来の日本。コロナ禍は過ぎ去ったものの、日本社会が再び立ち上がる気配は見えない。それどころか格差の拡大にともない人々の間の亀裂は広がっていくばかりである。こうしたなか、とある青年が東北大学をモデルとする地方の有名大学に入学する。喪失の傷を負った彼は人と濃密な関係を築くことを避け、同級生たちの集団の間を気ままに行き来している。学生のグループのはざまを彷徨うなかで彼は大学という自由の場が内側から崩れかけていることに気付く。彼がまず出会うのは比較的富裕な同級生たち。彼らの大部分は幼いころから外国語に親しみ、大学に入学する前に海外への留学を済ませている。大学卒業後は日本を離れて海外に活躍の場を求めるという人がほとんどだ。日本にはもはや未来がない、というのが彼らの言い分だった。彼らは熱意に満ちていたが、その一方で近くにいる他者を助けようという意思が欠落しているように思われた。主人公は彼らのあり方に気を落としその元を去る。次に彼が出会うのは苦しい生活を強いられている学生たちだった。コロナ以後、明らかに生活が苦しくなっている学生の数は増えていた。表面上は熱心に学問に打ち込んでいるように見えて、実際はアルバイトのために生活に押しつぶされ、具体的な意志や希望を失って、心はすさんでいる。ただ今の生活を続けることだけに腐心している彼らの姿に主人公は戦慄を覚える。主人公が属するその他大勢はどうだろうか。彼らもまた裕福な学生たちの逃避的な無関心と生活が苦しい学生たちの無気力とに内心では気づきながらも、自分の将来への不安が一番先に来てしまい、大学を覆う閉塞感に飲み込まれてしまっている。出口なし。絶望した主人公は仙台の町を当てもなく彷徨う。延々と続く同じような街にはコロナからの経済復興を反映してか、日本の団結を促すような前向きで明るい言葉が並んでいる。しかし、大学でのことを思い出すと、主人公の目にはそこに並ぶ文字はコロナによって生まれた社会の歪みをみんなで一生懸命に覆い隠そうとしているようにしか映らない。彼は行き先を変え、海を目指す。津波であらゆるものが洗い流された海辺の荒地を彷徨う主人公。彼の頭の中でコロナ後の時代の光景と震災の光景とがオーバーラップする。震災は東北とそこに生きる人々の心に荒地を残した。コロナはどうだろうか?日本に生きるすべての人々の心の中が今や荒地と化しているのだ。

 

[補足説明]

筋立てをセリーヌの「夜の果てへの旅」に、世界観をオーウェルの「1984」に借りながら現代の若者が抱える虚無感や喪失感に正面から切り込む。震災後に残された荒地の光景はこうした若者の精神的な風景を象徴するものである。また、荒地のモチーフは象徴であるばかりでなくコロナ禍の経験が本質的に過去の震災の経験の反復であるということを示している。筋立てもいってみれば似たような場面の連続であり、こうした「反復」のイメージを重ね合わせることで不条理な世界のありようを表現する。セリフの簡素さや論理的な一貫性を欠いた会話の展開、単調な画面の連続など、脚本や画面構成そのものにも工夫を凝らしながら不条理な世界の不気味さを表現する。

 

このストーリーをもとに年明けから一気にプロジェクトを実行していきます。どうかご支援よろしくお願いします。

 

[追記]

ある日のシナリオ会議の様子。文学部棟の一室で熱い議論が交わされました。
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メンバーの紹介をします

2021年12月22日(水)

このプロジェクトのメンバーに中心的に関わっているメンバーを紹介します。現在はこのメンバーで鋭意シナリオ制作中です。応援よろしくお願いします。


メンバー紹介①

名前:山下森人

所属:文学部哲学専修

岩手県大船渡市に生まれ育つ。高校で地域のいくつかの復興関連プロジェクトに関わるも「復興」という言葉だけが先行し、内省を欠いた地元の実情に失望し、物事の根幹を考える哲学こそが本当に必要なのだと考えて哲学を志す。高校での芸術的実践の経験から美学に関心をもち、美学と実社会に対する問題意識を結ぶ方策を模索する中で沖田と佐藤に出会い、二人の深い知識と意欲に惹かれてこのプロジェクトを企画した。プロジェクトの運営・事務を担当。
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メンバー紹介②

名前:沖田航平

所属:文学部ドイツ語学ドイツ文学専修

今作品の監督。中学生時代から映画に親しみ、現在は70年代のドイツの批評運動を主軸に映画理論史についての知見を深める。敬愛する監督はジャン=クロード・ルソーと溝口健二。また、卒業後は映画制作を学ぶために東京藝術大学映像研究科への進学を予定している。現在は東北大学の自治寮に密着し、戦後大学史の古層を掘り起こすドキュメンタリー映画の制作を準備中。
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メンバー紹介③

名前:佐藤勇人

所属:文学部フランス語学フランス文学専修

本作品の脚本、留学生との折衝を担当。小説家志望。高校時代は理数科に在籍していたが、バルザックやカミュに傾倒し、文学部に進学する。研究テーマは文学の社会参加の問題で、文学研究の傍らフランス語映画プロジェクトや「学生が選ぶゴンクール賞」プロジェクトに参加し、主導的な役割を果たしている。本作を通して従来はドキュメンタリー的手法で描かれることの多かった震災という一つの歴史的事件に新たな語りの可能性を開くことを目指す。
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クラウドファンディングが始まりました

2021年12月15日(水)

12月9日からクラウドファンディングを開始しました。開始直後から寄付をいただき、期待に応えられるような作品を作らなければいかないと身が引き締まる思いです。支援をしていただいた皆様、本当にありがとうございます。
また12月9日には、代表の山下が東北大学基金の感謝のつどいにて、プレゼンテーションを行ってきました。オンラインでの参加かつ1分間という短い時間ではありましたが、私たちのプロジェクトの核心部分は伝えることができたのではないかと思っています。感謝のつどいは他の採用者の方や東北大学基金の方などと初めて顔を合わせる機会でもあり、私たちのプロジェクトもいよいよ動き出したのだという実感を得ることができました。 
現在は年内に脚本を完成させることを目指して映画の脚本を肉付けしたり、作り直したりしている段階にあります。ともプロ!応募当時からできることが増えたり、逆に自分たちの見通しの甘さから修正を余儀なくされた部分もありましたが、プロジェクトはおおむね順調に進んでいます。年内を目標に、制作する映画の大まかなストーリーをこのページで公開するほか、メンバーの紹介や映画制作に至った背景なども順次公開していきますので、ぜひツイッターやこのページを定期的にチェックしてください!

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2022年01月30日

過去の出来事が、その時の人々の様々な視点で後の世代に伝わり、広く役立つことを期待いたします。

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プロジェクトオーナー

東北大学現代思想研究会映画プロジェクト

ご寄附の特典

1,000円のご寄附

・お礼状

・寄附金領収証明書

・ご芳名を東北大基金HPに掲載(ご希望の方のみ)

・下記の中からお好きなものを1つお選びいただけます。

1.東北大学オリジナルブレンドコーヒー”THANKS BLEND”

2.北限のお茶”kitaha”東北大学オリジナルデザインver.

3.東北大学オリジナル栞”Hagi”

 

※ご入金確認後、1カ月後程度を目途にお送り致します。

※クレジットカードでお申込みの方へは、カード会社から本学への入金後の送付となりますので、ご了承ください。

5,000円のご寄附

・お礼状

・寄附金領収証明書

・ご芳名を東北大基金HPに掲載(ご希望の方のみ)

・下記の中からお好きなものを1つお選びいただけます。

1.東北大学オリジナルブレンドコーヒー”THANKS BLEND”

2.北限のお茶”kitaha”東北大学オリジナルデザインver.

3.東北大学オリジナル栞”Hagi”

 

※ご入金確認後、1カ月後程度を目途にお送り致します。

※クレジットカードでお申込みの方へは、カード会社から本学への入金後の送付となりますので、ご了承ください。

10,000円のご寄附

・お礼状

・寄附金領収証明書

・ご芳名を東北大基金HPに掲載(ご希望の方のみ)

・東北大学オリジナルクリアファイル~人気イラストレーター秋山花さん描き下ろし~

 

※ご入金確認後、1カ月後程度を目途にお送り致します。

※クレジットカードでお申込みの方へは、カード会社から本学への入金後の送付となりますので、ご了承ください。

30,000円のご寄附

・お礼状

・寄附金領収証明書

・ご芳名を東北大基金HPに掲載(ご希望の方のみ)

・川内第2食堂「普通カレー&怒髪天カレー」1セット

 

※ご入金確認後、1カ月後程度を目途にお送り致します。

※クレジットカードでお申込みの方へは、カード会社から本学への入金後の送付となりますので、ご了承ください。

50,000円のご寄附

・お礼状

・寄附金領収証明書

・ご芳名を東北大基金HPに掲載(ご希望の方のみ)

・「東北大学×mizuno」限定オリジナルマウスカバー &川内第2食堂「普通カレー&怒髪天カレー」1セット

 

※ご入金確認後、1カ月後程度を目途にお送り致します。

※クレジットカードでお申込みの方へは、カード会社から本学への入金後の送付となりますので、ご了承ください。

※マウスカバーについては、ご希望のお色をお申込フォームの「通信欄」にご記入下さい。なお、数に限りがございますため、ご希望のお色にならない場合がありますこと、あらかじめご了承ください。

100,000円のご寄附

・お礼状

・寄附金領収証明書

・ご芳名を東北大基金HPに掲載(ご希望の方のみ)

・東北大学オリジナル日本酒「萩のゆかり」

・東北大学プレミアム返礼品より1品<2022年5月頃ご案内>

 

※ご入金確認後、1カ月後程度を目途にお送り致します。

※クレジットカードでお申込みの方へは、カード会社から本学への入金後の送付となりますので、ご了承ください。

※東北大学プレミアム返礼品については2022年5月以降に別途ご連絡致します。詳細についてはこちらをご覧ください。

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